【ファンを増やす!】マーケティング戦略の全体像

この記事では、マーケティングの基本から応用までを網羅的に解説します。
顧客に価値を提供し、信頼関係を築き、ロイヤルティを高めるための具体的な手法を学んでいきましょう。

目次

【顧客をイメージする】STP分析とペルソナ

STP分析とペルソナ作成で、顧客像を明確にしましょう。

STP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)とペルソナの作成を通じて、顧客を具体的にイメージする方法を学びます。これにより、効果的なマーケティング戦略の基盤を築くことができます。

STP分析

STP分析は、市場を細分化し、ターゲット市場を選定し、その市場における自社の位置づけを明確にする手法です。STPは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取ったもので、この3つのステップを通じて、効果的なマーケティング戦略を構築します。

セグメンテーション(Segmentation): 市場を異なるニーズや特性を持つグループに分けるプロセスです。一般的なセグメンテーションの基準には、地理的、人口統計的、心理的、行動的な要素があります。

  • 自動車メーカーが、地理的な基準に基づいて都市部と地方の顧客を分け、それぞれに適したモデルを開発する。

ターゲティング(Targeting): 細分化されたセグメントの中から、最も有望なターゲット市場を選定するプロセスです。選定基準には、市場の規模、成長の可能性、自社のリソースとの適合性などが含まれます。

  • 化粧品ブランドが、成長性の高い若年層女性をターゲット市場として選定し、その層に特化した広告キャンペーンを展開する。

ポジショニング(Positioning): 選定したターゲット市場に対して自社の製品やサービスをどのように位置づけるかを決定するプロセスです。これには、製品の特徴、価格、品質、イメージなどの要素を考慮して、ターゲット市場に対して競争優位性を持たせることが含まれます。

  • スポーツブランドが、革新的なデザインと高機能性を強調し、アスリート向けのプレミアムポジションを確立する。

ペルソナの作成とその活用法

ペルソナは、特定のターゲット顧客層を具体的に描写した架空の人物像です。ペルソナを作成することで、マーケティング戦略や製品開発、コミュニケーションプランをより具体的で効果的に行うことができます。

ペルソナの作成方法

  • ターゲット市場のリサーチを行い、データを基にペルソナを具体化する。
  • ペルソナには、名前、年齢、職業、ライフスタイル、価値観、購買行動などの詳細情報を含める。

ペルソナの活用法

  • マーケティング戦略の策定: ペルソナを基に、ターゲット顧客に最も効果的なマーケティングメッセージやキャンペーンを策定します。
  • 製品開発: ペルソナのニーズや課題を反映し、新製品の開発や既存製品の改良を行います。
  • コンテンツ制作: ペルソナに訴求するコンテンツを制作し、ブログ、SNS、広告などで展開します。

BtoBとBtoCの比較

BtoB(企業向け)とBtoC(一般消費者向け)では、対象となる顧客が異なるため、STP分析やペルソナの作成においても違いが生じます。

共通点

BtoBとBtoCのどちらの市場においても、顧客理解とマーケティング戦略の基盤としてSTP分析とペルソナの作成が重要です。両方の市場で基本的には同じステップを踏みます。

相違点

BtoB(企業向け)

  • セグメンテーション: 業界、企業規模、地理的位置、企業のニーズなどが基準となる。
  • ターゲティング: 企業の予算、意思決定プロセス、購買頻度などが考慮される。
  • ポジショニング: 技術的な優位性、カスタマイズの可能性、アフターサービスなどが重視される。
  • ペルソナ: 企業の担当者や意思決定者を詳細に描写する。
    • ITソリューション企業が、CTOをターゲットとするペルソナを作成し、技術ブログや専門セミナーで情報発信する。

BtoC(一般消費者向け)

  • セグメンテーション: 年齢、性別、所得、ライフスタイル、購買行動などが基準となる。
  • ターゲティング: 消費者の購買力、購買頻度、ブランドロイヤルティなどが考慮される。
  • ポジショニング: ブランドイメージ、価格、デザイン、利便性などが重視される。
  • ペルソナ: 個人のライフスタイルや価値観を詳細に描写する。
    • ファッションブランドが、20代女性をターゲットとするペルソナを作成し、InstagramやTikTokでマーケティングキャンペーンを展開する。

【顧客のニーズを捉える】ニーズ分析と顧客価値

顧客のニーズを深く理解し、価値を提供する戦略を立てましょう。

顧客のニーズを体系的に理解し、購買行動を分析する方法を学びます。これにより、顧客が求める価値を提供し、効果的なマーケティング施策を展開するための基盤を築きます。

顧客のニーズの分類

顧客のニーズは多岐にわたりますが、マズローの五段階欲求に基づいて整理することで、理解しやすくなります。これを理解することで、企業は顧客の心理や行動を予測しやすくなり、マーケティング施策に具体的に反映することができます。

  • 生理的欲求: 基本的な生存に必要なニーズ(例: 食べ物、飲み物)。
    • 食品・飲料業界では、健康志向やオーガニック製品の提供が顧客の基本的なニーズに応える。
    • コンビニエンスストアでは、栄養価の高いスナックや飲み物を開発し、健康を意識した消費者にアピールする。
  • 安全の欲求: 安全と安心を求めるニーズ(例: 保険、セキュリティ)。
    • 保険会社やセキュリティサービスは、安心感を強調したプロモーションを展開。
    • 自動車メーカーは、安全性能を強調した広告キャンペーンを実施。
  • 社会的欲求: 愛や所属感を求めるニーズ(例: SNS、コミュニティ)。
    • SNSプラットフォームやコミュニティサービスは、ユーザーのつながりを強調する機能を充実させる。
    • フィットネスジムは、メンバー同士の交流を促進するイベントやプログラムを導入。
  • 尊重の欲求: 自尊心や他者からの尊重を求めるニーズ(例: 高級ブランド、賞賛)。
    • 高級ブランドは、ステータスシンボルとしての製品価値を強調するマーケティングを行う。
    • IT企業は、エキスパート向けのトレーニングプログラムや認証制度を提供し、専門家としての地位を高める。
  • 自己実現の欲求: 自己成長や自己実現を求めるニーズ(例: 教育、キャリア開発)。
    • 教育サービスや自己啓発プログラムは、個人の成長をサポートするコンテンツを提供。
    • 企業は、従業員向けのキャリア開発プログラムやメンターシップを導入し、自己実現を支援。

顧客価値

顧客価値は、顧客が製品やサービスから得るメリットや価値のことです。顧客価値を理解し、提供することが企業の成功につながります。

  • 機能的価値: 製品やサービスの基本的な機能や性能。
    • 電子機器の性能、家庭用製品の使いやすさ。
    • SaaS企業は、ソフトウェアの効率性や使いやすさを強調する。
  • 感情的価値: 使用することで得られる感情的な満足感や喜び。
    • 贈り物をもらった時の喜び、旅行体験から得られる幸福感。
    • 化粧品ブランドは、使用感やパッケージデザインで感情的な満足感を提供。
  • 社会的価値: 使用することで得られる社会的な地位や評価。
    • 高級車を所有することによる社会的なステータス、ブランド服を着ることによる認識。
    • 高級時計メーカーは、持つことによる社会的な地位を強調する。
  • 経験的価値: 使用することで得られる新しい経験や学び。
    • 新しいガジェットを使うことで得られる技術の知識、料理教室に通うことで得られるスキル。
    • 旅行会社は、体験型のツアーやアクティビティを提供し、顧客に新しい経験を提供。

BtoBとBtoCの比較

BtoB(企業向け)とBtoC(一般消費者向け)では、顧客のニーズや価値に違いが生じます。

共通点

両市場において、顧客のニーズを理解し、そのニーズに応じた価値を提供することが重要です。

相違点

BtoB(企業向け)

  • ニーズの分類: 生理的欲求や安全の欲求よりも、効率性や業務改善などの実務的なニーズが重視されます。
  • 顧客価値: 機能的価値や経験的価値が特に重視されます。企業は投資対効果や効率化を求めます。
    • 高性能のソフトウェア、業務効率化ツール、専門的なコンサルティングサービス。

BtoC(一般消費者向け)

  • ニーズの分類: マズローの五段階欲求がそのまま適用されることが多いです。
  • 顧客価値: 感情的価値や社会的価値が重要です。消費者は製品やサービスからの楽しさやステータスを求めます。
    • 感動を与える映画、友人とシェアするSNS映えするカフェ。

【顧客にリーチする】効果的なプロモーション

効果的なプロモーションで、顧客にリーチし、行動を促しましょう。

顧客に効果的にリーチするためのプロモーション戦略について学びます。具体的には、購買プロセスの理解、多様なプロモーション手法、そして行動心理学を活用したアプローチについて解説します。

購買プロセス(AISASフレームワーク

AISASフレームワークは、消費者の購買プロセスを理解するためのモデルです。AISASは、Attention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字を取ったものです。

  • Attention(注意): 消費者が製品やサービスに気づく段階です。広告やSNSを活用して、広く認知を獲得します。
    • 広告キャンペーンを展開し、新製品の認知度を高める。
  • Interest(興味): 消費者が製品やサービスに興味を持つ段階です。商品の魅力や特徴を強調し、興味を引きます。
    • 商品の特徴や利点を詳しく説明したウェブサイトやランディングページを作成。
  • Search(検索): 消費者が製品やサービスについてさらに情報を調べる段階です。SEO対策やコンテンツマーケティングを通じて、消費者の検索行動をサポートします。
    • SEOを最適化し、消費者が検索したときに自社サイトが上位に表示されるようにする。
  • Action(行動): 消費者が実際に購入や申し込みを行う段階です。購入プロセスをシンプルで直感的にすることが重要です。
    • ウェブサイトの購入プロセスを簡素化し、購入ボタンをわかりやすい位置に配置する。
  • Share(共有): 消費者が購入後にその体験を他者と共有する段階です。ソーシャルメディアでのシェアを促進する施策が有効です。
    • 購入後にSNSでシェアするためのインセンティブ(割引クーポンなど)を提供する。

多様なプロモーション手法(RACEフレームワーク

多様なプロモーション手法を活用することで、異なる顧客層に効果的にリーチできます。RACEフレームワークを使い、顧客のライフサイクルを4つのステージに分けて説明します。

Reach(リーチ): 顧客にリーチするための活動を行います。目標は、ブランド認知を高めることです。

  • デジタル広告: Google広告やFacebook広告などのオンライン広告を活用し、ターゲット顧客にリーチします。
    • 魅力的なバナー広告やビデオ広告を表示し、新しい顧客にブランドを知ってもらう
  • PR活動: メディアを通じてブランドを広めます。
    • プレスリリースやイベントを開催して、メディアの注目を引く
  • SEO対策: 検索エンジン最適化を行い、検索結果で上位に表示されるようにします。
    • キーワードリサーチとコンテンツ最適化で、オーガニックトラフィックを増加させる

Act(行動): 顧客がブランドや製品に興味を持ち、ウェブサイトやランディングページを訪れるよう促します。

  • コンテンツマーケティング: ブログや動画などを通じて価値のある情報を提供し、顧客を引き付けます。
    • 製品の使い方を解説するYouTube動画や、ブログ記事での詳細な説明
  • インフルエンサーマーケティング: インフルエンサーを通じてブランドを広め、顧客の興味を引きます。
    • インフルエンサーとのコラボレーションで商品のレビューをSNSに投稿

Convert(コンバージョン): 顧客が実際に購入や申し込みを行うプロセスです。

  • Eメールマーケティング: 顧客に直接メールを送信し、購入を促します。
    • 定期的なニュースレターで新製品情報や特典を提供
  • リターゲティング広告: ウェブサイト訪問者に対して再度広告を表示し、コンバージョンを促します。
    • カートに商品を残したまま離脱したユーザーに、リマインダー広告を表示

Engage(エンゲージメント): 顧客との長期的な関係を築き、ロイヤルティを高めます。

  • 顧客サポート: 質の高いカスタマーサポートを提供し、顧客満足度を向上させます。
    • チャットサポートやFAQセクションを充実させる
  • LTV向上施策: 顧客生涯価値を高めるための施策を実施します。
    • ロイヤルティプログラムやポイント制度の導入

プロモーションの効果測定

プロモーション手法の効果を測定することで、戦略の改善に役立てます。

  • クリック率(CTR): 広告やリンクのクリック率を測定し、顧客の関心度を評価します。
  • コンバージョン率: ウェブサイト訪問者のうち、実際に購入や申し込みを行った割合を測定します。
  • リーチ: 広告やコンテンツがどれだけの人数に届いたかを評価します。
  • エンゲージメント率: ソーシャルメディアやコンテンツへの反応(いいね、シェア、コメント)を測定します。
  • ROI(投資対効果): プロモーション活動に対する費用対効果を評価します。
  • カスタマーリテンション率: 顧客が再度購入や利用を続ける割合を測定します。
  • バウンス率: ウェブサイト訪問者が最初のページで離脱する割合を測定します。
  • 顧客獲得コスト(CAC): 新規顧客を獲得するためにかかったコストを測定します。
  • 顧客生涯価値(LTV): 一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらす価値を測定します。
  • リードジェネレーション: 新規見込み客の獲得数を測定します。

行動心理学によるアプローチ

行動心理学は、消費者行動を深く理解し、効果的なマーケティング戦略を構築するための有用な手法です。消費者の心理を把握することで、彼らがどのように購入を決定し、ブランドに対する忠誠心を育むかを理解しやすくなります。

影響力の武器

心理学者ロバート・チャルディーニが提唱した「影響力の武器」は、消費者行動を理解するための6つの基本的な心理的原則を示しています。これらの原則を知ることで、消費者の行動を予測し、適切なマーケティング施策を行うことができます。

  • 社会的証明: 他人の行動を参考にして、自分の行動を決定する傾向があります。
  • 一貫性: 一度行った行動や発言を後で変えたくないという心理。
  • 返報性: 何かをもらったらお返しをしたいと感じる心理。
  • 好意: 好意を持っている人や、魅力的な人の提案に従いやすい傾向。
  • 権威: 権威のある人や専門家の意見を信じやすい心理。
  • 希少性: 手に入りにくいものほど価値が高いと感じる心理。

その他の重要な行動心理学の理論

影響力の武器以外にも、マーケティング施策を最適化するために知っておくべき行動心理学の理論があります。

  • アンカリング効果: 最初に提示された情報がその後の判断に大きな影響を与える。
  • フレーミング効果: 同じ情報でも提示の仕方によって受け取り方が変わる。
  • 選択過多: 選択肢が多すぎると逆に決定が難しくなる現象。
  • デフォルト効果: 初期設定の選択肢をそのまま選ぶ傾向。
  • 損失回避: 得ることよりも失うことを強く嫌う心理。
  • 即時報酬の法則: すぐに得られる報酬の方が、遅れて得られる報酬よりも価値が高いと感じる。
  • ミラーリング: 他人の行動を真似ることで親近感を持つ傾向。
  • 確証バイアス: 自分の既存の信念や意見を支持する情報を優先的に求める傾向。
  • ピーク・エンドの法則: 経験のピーク(最高潮の瞬間)と終わりの部分が全体の印象を左右する。
  • 認知的不協和: 矛盾する考えや情報に直面したときに感じる不快感を減少させるために、情報を調整する傾向。

これらの理論や法則を理解し、マーケティング戦略に反映させることで、消費者行動を予測しやすくなり、失敗のリスクを減らすことができます。

BtoBとBtoCの比較

BtoB(企業向け)とBtoC(一般消費者向け)では、プロモーション手法とその効果測定においても違いが生じます。以下にそれぞれの特性と具体例を示します。

共通点

両方の市場で、顧客の購買プロセスや行動を理解し、適切なプロモーション戦略を立てることが重要です。

相違点

BtoB(企業向け)

  • AISASフレームワーク: より長期的な関係構築が重視され、購入までのプロセスが長い。
    • 展示会やセミナーを通じて顧客の注意を引き、その後、詳細な製品情報やデモを提供することで、購入に結びつける。
  • プロモーション手法: 展示会、専門誌広告、セミナー、ウェビナーなどが効果的。
    • 製造業の企業が、業界特化型の展示会に出展し、新製品のデモを行い、見込み客と直接対話する。
  • プロモーションの効果測定: リードジェネレーション、顧客獲得コスト(CAC)、リードの質などが重視される。
    • ITサービス企業が、ウェビナー参加者数やその後の商談成立数を測定し、マーケティングの効果を評価する。
  • 行動心理学によるアプローチ: 企業の意思決定者が理性的かつ論理的な判断を行うため、行動心理学の適用には戦略的なアプローチが求められる。
    • BtoBのマーケティングでは、製品やサービスの信頼性や専門性を強調し、リーダーシップのある権威者や専門家からの推薦を利用して信頼を築く。

BtoC(一般消費者向け)

  • AISASフレームワーク: 短期間での購買決定が多く、消費者の感情に訴えるアプローチが有効。
    • ファッションブランドが、Instagram広告で消費者の注意を引き、興味を持たせた後、オンラインストアへのリンクを提供し、購入を促す。
  • プロモーション手法: テレビ広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティング、プロモーションイベントなどが効果的。
    • 化粧品ブランドが、人気インフルエンサーと提携し、製品レビューを投稿してもらい、その影響でSNS上での話題を喚起する。
  • プロモーションの効果測定: コンバージョン率、広告クリック率、顧客ロイヤルティ、SNSでのシェア数などが重視される。
    • オンライン小売店が、ウェブサイトの訪問者数、購入率、リピート購入率を分析し、プロモーションの効果を測定する。
  • 行動心理学によるアプローチ: 消費者の感情や直感に基づく判断が多く、行動心理学の理論が効果的に働く。
    • BtoCのマーケティングでは、希少性や社会的証明を活用し、製品が限定的で人気が高いと感じさせることで購入を促す。

【顧客をファンにする】顧客ロイヤルティと関係構築

顧客と長期的な関係性を築き、提供価値を最大化しましょう。

企業が顧客との長期的な関係を築き、エンゲージメントを高める方法について学びます。顧客生涯価値(LTV)の定義とその重要性、RFM(Recency, Frequency, Monetary)とCRM(顧客関係管理)の概要、そしてCustomer Loyalty Ladder(顧客ロイヤルティのはしご)の各段階とその具体例について解説します。

顧客生涯価値(LTV)の考え方

顧客生涯価値(LTV)とは、通常、企業が一人の顧客から得る総売上や利益を指します。しかし、ここではLTVを「企業が顧客に提供する価値を最大化し、その結果として得られる売上や利益」と定義します。LTVを高めるためには、顧客との長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させることが重要です。

LTVは、「平均購入額 × 購買頻度 × 顧客維持期間」で計算されます。

  • 平均購入額(Average Purchase Value):顧客が一回の取引で支払う平均金額。
  • 購買頻度(Purchase Frequency):一定期間内に顧客が何回購入するか。
  • 顧客維持期間(Customer Lifespan):顧客が企業との関係を維持する期間。

RFM分析を用いた顧客価値の評価

RFM分析は、顧客を以下の3つの指標で評価します。RFM分析により、企業は優良顧客を特定し、それに基づいたマーケティング戦略を立てることができます。

  • Recency(最近の購入):顧客が最近購入した時期。最新の購入日が近いほど高いスコアを与える。
  • Frequency(購入頻度):一定期間内の購入回数。購入回数が多いほど高いスコアを与える。
  • Monetary(購入金額):一定期間内の総購入金額。購入金額が多いほど高いスコアを与える。

CRMシステムの導入

CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客との関係を管理し、強化するためのシステムや戦略を指します。CRMシステムを導入することで、以下のメリットがあります。

  • 顧客情報の一元管理:顧客の購入履歴、問い合わせ履歴、サポート履歴などを一元管理することで、顧客の全体像を把握しやすくなります。
  • 効果的なコミュニケーション:顧客ごとにパーソナライズされたコミュニケーションを行い、顧客満足度を向上させることができます。
  • データ分析の活用:顧客データを分析し、ターゲットマーケティングやクロスセル、アップセルの機会を見つけることができます。

顧客ロイヤルティのはしご(Customer Loyalty Ladder)

顧客ロイヤルティのはしご(Customer Loyalty Ladder)は、顧客が企業との関係において進化する段階を示したものです。この段階は、見込み客(Prospect)から始まり、カスタマー(Customer)、クライアント(Client)、サポーター(Supporter)、アドボケート(Advocate)、最終的にはパートナー(Partner)へと進みます。各段階は、顧客のロイヤリティの深さと関与のレベルを表しています。

各段階の定義は以下の通りです。

  • 見込み客(Prospect):企業の存在を知っているが、まだ取引がない顧客。
  • カスタマー(Customer):企業から初めて購入した顧客。
  • クライアント(Client):定期的に購入している顧客。
  • サポーター(Supporter):企業を好意的に見ているが、積極的な支持を行わない顧客。
  • アドボケート(Advocate):企業を積極的に推薦し、マーケティングを支援する顧客。
  • パートナー(Partner):企業とパートナーシップを築き、共同で成長する関係。

各段階に進むプロセスと具体例

見込み客(Prospect)

  • プロセス: 企業の存在を知り、興味を持った段階。
    • 美容製品の無料サンプルをイベントやオンラインで配布。
    • ソフトウェア企業が30日間の無料トライアルを提供。
    • 新車発表イベントでの試乗会を開催し、見込み客を招待。

カスタマー(Customer)

  • プロセス: 商品やサービスに対する初回の購買意欲が生じた段階。
    • 電化製品を購入した顧客に対して、フォローアップメールで使い方ガイドを送信。
    • 初回購入後に次回使える10%オフクーポンを配布。
    • オンライン書店が、過去の購入履歴に基づいて新刊を推薦。

クライアント(Client)

  • プロセス: 繰り返しの取引が行われ、一定の信頼関係が構築された段階。
    • BtoBソリューション企業が、特定のクライアント向けにカスタマイズされたソフトウェアを提供。
    • 高級家電メーカーが、定期的なメンテナンスサービスを提供。
    • 法律事務所が、大口クライアントに専任の弁護士を割り当てる。

サポーター(Supporter)

  • プロセス: 企業や商品に対して好意的な意識が芽生えた段階。
    • フィットネスブランドが、顧客専用のSNSコミュニティを運営。
    • ファッションブランドが、VIP顧客を招待する限定ファッションショーを開催。
    • 小規模なディナーパーティを開き、企業の幹部が直接顧客と対話。

アドボケート(Advocate)

  • プロセス: 企業や商品を積極的に推薦したいと感じる段階。
    • ソフトウェア企業が、製品の愛用者を「ブランドアンバサダー」として表彰。
    • 家具メーカーが、顧客の意見を取り入れた新商品のデザインプロジェクトを実施。
    • 高級時計メーカーが、新作発表前に限定顧客に情報を提供。

パートナー(Partner)

  • プロセス: 企業と共に成長し、利益を共有したいと考える段階。
    • テクノロジー企業が、戦略的パートナー企業と共同で新技術開発を進める。
    • 自動車メーカーが、パートナー企業と共同で新しい電気自動車を開発。
    • 食品メーカーが、パートナー企業と共同でマーケットリサーチを実施。

BtoB、BtoCの比較

BtoB(企業向け)とBtoC(一般消費者向け)では、顧客のニーズや価値に違いが生じます。

共通点

両市場において、顧客のニーズを理解し、そのニーズに応じた価値を提供することが重要です。

相違点

  • BtoB(企業向け)
    • 購買担当者の特定:BtoBでは、企業の購買担当者や意思決定者に対するアプローチが重要です。
    • 関係構築:長期的な関係を築くための戦略が重視されます。
    • カスタマイズ:顧客企業のニーズに応じたカスタマイズが求められます。
  • BtoC(一般消費者向け)
    • マスアプローチ:広範な消費者層に対するアプローチが必要です。
    • 感情的価値:感情的な価値提供が重要です。
    • 一貫した体験:消費者がどこで購入しても一貫したブランド体験を提供することが求められます。

以上の内容を踏まえ、エンゲージメントとロイヤルティ戦略を実施することで、企業は持続的な成長を実現できます。

まとめ

この記事では、マーケティングの基本から応用までを網羅的に解説しました。

  • 【顧客をイメージする】STP分析とペルソナ: 市場をセグメンテーションで細分化し、ターゲット市場を選定し、自社の位置づけを明確にするSTP分析と、ターゲット市場に基づいて具体的な顧客像(ペルソナ)を作成し、活用する方法についてご説明しました。
  • 【顧客のニーズを捉える】ニーズ分析と顧客価値: 顧客のニーズをマズローの五段階欲求に基づいて整理し、顧客価値(機能的価値、感情的価値、社会的価値、経験的価値)を理解し提供する方法についてお伝えしました。
  • 【顧客にリーチする】効果的なプロモーション: 消費者の購買プロセスをAISASフレームワークで理解し、多様なプロモーション手法をRACEフレームワークで活用し、行動心理学の理論を応用してプロモーションの効果を測定する方法について解説しました。
  • 【顧客をファンにする】顧客ロイヤルティと関係構築: 顧客生涯価値(LTV)の考え方、RFM分析とCRMシステムの導入、Customer Loyalty Ladderを通じた顧客ロイヤリティの深さと関与のレベルの評価、およびBtoBとBtoCの共通点と相違点についてご紹介しました。

これらのフレームワークを理解し、綿密なマーケティング戦略を構築していきましょう。

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