【ユースケース図!】システムと利用者の関係を描く

この記事ではユースケース図の描き方と活かし方を解説します。
システムを誰がどんな目的で使うかを一枚で示せるようになり、ベンダーとの要件整理が一気にスムーズになります。

目次

ユースケース図とは

ユースケース図は、システムを誰がどんな目的で使うかを一枚で示します。

ユースケース図の例:在庫管理システム 在庫管理システム 在庫を確認する 商品を出荷する 入庫を登録する 在庫レポートを出す 営業担当 倉庫担当 管理者
ユースケース図のサンプル。在庫管理システムを使う3つの役割と4つの機能を表す

システムと利用者の関係を描いた図

ユースケース図は、システムを「誰が(利用者)」「どんな目的で(やりたいこと)」使うかを一枚にまとめた図です。システム内部の作りには触れず、外から見た使われ方だけを描くのが特徴です。技術的な専門知識がなくても読めるため、経営層・現場担当・ベンダーの三者で同じ図を見ながら議論できる、システム導入の入口として最適な図解です。

こんな場面で使う

ユースケース図はシステム導入時の要件整理既存システムの棚卸しで特に活躍します。導入時は「どんな業務をシステム化するか」をベンダーに伝える資料に、棚卸しでは「このシステムは誰が何に使っているか」を改めて整理する資料になります。ベンダーから「要件をまとめてください」と言われて困ったら、まずこの図から描き始めると話が進みます。

簡単な記号だけで描ける

ユースケース図に必要な記号は、アクター(棒人間)・ユースケース(楕円)・接続線・システム境界(枠)の4つだけです。複雑な記法は要らず、ホワイトボードでも描けます。中身の作り込みではなく、利用者と機能の関係を整理することが目的なので、絵が下手でも読みやすく描けます。

ユースケース図の4つの要素

アクター・ユースケース・接続線・システム境界の4つで描けます。

アクター — 誰が使うか

アクターは、システムを使う人や外部システムを表す記号です。一般的には棒人間で描きます。社内利用者(営業担当・倉庫担当・管理者など)だけでなく、顧客・取引先・連携する外部システムもアクターになります。「役職名や役割」で表し、個人名は使いません。「営業の山田」ではなく「営業担当」と書きます。担当者が変わっても図がそのまま使えるためです。

ユースケース — 何ができるか

ユースケースは、システムが提供する機能を楕円で表したものです。「在庫を確認する」「商品を出荷する」のように、利用者の目的を動詞で書きます。「データベース照会」のような技術的な表現ではなく、「業務として何をやりたいか」を書くのがポイントです。1つのユースケースは1つの目的に絞り、複数の機能を詰め込みません。

接続線 — 誰がどの機能を使えるか

アクターとユースケースを接続線で結びます。線が引かれていれば「このアクターはこのユースケースを使える」、引かれていなければ「使えない(権限がない)」を意味します。1つのアクターが複数の機能を使うことも、複数のアクターが同じ機能を使うことも普通です。接続線はそのままシステムの権限設計に落とし込めるため、誰に何の操作を許可するかの判断材料になります。

システム境界 — どこまでが対象システムか

全ユースケースをシステム境界と呼ぶ枠で囲むことで、「ここからここまでが対象システムの範囲」を明示します。境界の外にあるアクターは利用者、内側のユースケースは機能です。境界線を引くと「この処理は新システムでやる/別システムでやる」の切り分けが明確になり、ベンダーとの要件議論で範囲のすれ違いを防げます。

ユースケース図の3ステップ

アクターを書き、機能を楕円で並べ、線でつなぐ。この3ステップで描けます。

ステップ1 — アクターを洗い出す

まずシステムを使う登場人物を全て洗い出します。社内の利用者(部署や役割単位)、顧客、取引先、連携する他システムまで含めます。「この機能、誰が使うんだっけ?」と聞かれて即答できないアクターがいたら、それは要件が曖昧なサインです。アクター洗い出しの段階で「あ、〇〇部署も使うんだ」と気づくことがよくあります。

ステップ2 — ユースケースを楕円で並べる

次にシステムが提供する機能を楕円で並べます。「〇〇する」と動詞で書き、利用者の目的単位で1つの楕円にします。最初は粗くて構いません。後から「これは2つに分けた方がいい」「これは別の楕円と統合できる」と気づいたら、その都度整理します。10〜20個程度の粒度に収まるのが、見やすさのバランス点です。

ステップ3 — 接続線で関係をつなぐ

最後に、各アクターと使う機能を接続線で結びます。1つのアクターが複数の機能を使うことも、複数のアクターが同じ機能を使うことも普通です。書き終わったら、線が1本もないユースケース(誰も使わない機能)や、線が1本もないアクター(システムに関わらない人)がないかをチェックします。

ユースケース図を活かすコツ

ベンダー会話の起点として、また権限設計の出発点として使えます。

ベンダーとの最初の打合せ資料にする

システム導入の最初の打合せに、ユースケース図を1枚持っていくだけで会話が大きく変わります。ベンダーは「どんな業務を扱うシステムか」「誰が使うか」を最短で把握でき、見積もりや提案の精度が上がります。文章で要件をまとめて送るより、図1枚示す方が圧倒的に早く正確に伝わります。ベンダー側からも「ここは具体的にどんな操作ですか」と質問が来やすくなり、要件定義がスムーズに進みます。

権限設計の出発点として使う

ユースケース図は権限設計の出発点としても使えます。「営業担当はこの機能まで」「管理者はレポート機能まで」と、誰がどの機能にアクセスできるかが線で表現されているため、そのままシステムの権限設計に落とし込めます。後から「あの人にもこの機能を使わせていいんだっけ」と迷う場面で、ユースケース図に立ち返れば判断できます。

まとめ

ユースケース図の描き方と活かし方を解説しました。

  • ユースケース図は、システムを誰がどんな目的で使うかを一枚にまとめる図
  • 必要な要素はアクター・ユースケース・接続線・システム境界の4つ
  • アクターを洗い出し、ユースケースを並べ、線でつなぐ3ステップで描ける
  • ベンダーとの最初の打合せ資料として使うと、要件伝達が一気に進む
  • 権限設計の出発点としても使える

これらを理解し、まず1枚描いてみると、システム導入の打合せが格段にスムーズになります。ジョブらくでは、システム導入や業務のIT化を支援するコンサルティングを提供しています。「ベンダーとの会話がうまく噛み合わない」という方は、お気軽にご相談ください。

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