【AI入門その22】LangChainとは何か?LLMアプリ設計の考え方

この記事では、LLMアプリをコードで構築する際に広く使われるフレームワーク「LangChain」の考え方を解説します。
DifyがノーコードでLLMアプリを組み立てるツールとすれば、LangChainは開発者がコードで同じことを柔軟に実現するための道具箱です。

目次

LangChainとは何か

LangChainはLLMと各種ツールを組み合わせてアプリを構築するためのPythonフレームワークです。

LLM単体では作れないものがある

LLMのAPIを呼び出すだけなら数行のコードで済みます。しかし実用的なアプリには「会話履歴の管理」「社内文書の検索」「外部ツールの呼び出し」「複数処理の連携」など多くの仕組みが必要です。これを一から設計すると膨大な手間がかかります。LangChainはこうした共通の仕組みをあらかじめ部品として提供するフレームワークです。

部品を組み合わせてアプリを作る

LangChainの設計思想は「レゴブロック」に似ています。LLMへの接続・プロンプトの組み立て・会話の記憶・外部ツールの呼び出し・文書の検索といった部品が揃っており、必要なものを選んでつなぎ合わせるだけでアプリの骨格を作れます。ゼロから書く量を大幅に減らせるのが最大のメリットです。

主な部品と役割

LangChainの部品は「LLMを呼ぶ」「プロンプトを組み立てる」「記憶する」「ツールを使う」「文書を検索する」に大別されます。

プロンプトとLLMの接続

入力テキストを整形してLLMに渡し、回答を取り出す部品が中心にあります。OpenAI・Anthropic・Googleなど異なるLLMを同じコードで切り替えられるため、特定のサービスに依存しない設計が可能です。将来的にLLMを乗り換えたい場合も、変更箇所を最小限に抑えられます。

記憶とツールの仕組み

会話の文脈を保持する「記憶」の仕組みと、検索エンジン・データベース・計算機などの「ツール」を呼び出す仕組みも標準で用意されています。これらを組み合わせることで、単純な一問一答を超えた、文脈を踏まえた継続的な対話や複合的な処理が実現できます。

代表的な使い方

LangChainはRAGアプリとエージェントの構築で特に多く使われています。

社内文書に答えるRAGアプリ

PDFや社内マニュアルを読み込み、質問に対して該当箇所を探して回答するRAGアプリの構築に向いています。文書の読み込み・分割・ベクトル化・検索・回答生成まで、一連の処理を数十行のコードで組み立てられます。細かい動作の調整や既存システムとの連携が必要な場面で力を発揮します。

複数の処理を自律的につなぐ

「まず情報を検索し、内容を要約してから別のAPIに投げる」といった複数ステップの処理を、LLMが状況を判断しながら自動的に実行する「エージェント」も構築できます。繰り返しや条件分岐のある処理にも対応でき、定型業務の自動化に応用されています。

DifyやAPI直接呼び出しとの使い分け

LangChainが適するのは、開発チームが柔軟さと制御性を求める場合です。

ノーコードで済むならDifyが早い

定型的なRAGアプリやチャットボットであれば、ノーコードで構築できるDifyのほうが開発が早く、非エンジニアでも管理できます。複雑なロジックや特殊な連携が不要な場合は、LangChainを使わずDifyを選ぶほうが現実的です。

LangChainを選ぶ判断軸

「既存システムとの細かい連携が必要」「処理フローをコードレベルで制御したい」「複数のLLMを使い分けたい」といった要件があるときにLangChainの出番です。開発者が必要で管理の工数もかかりますが、ノーコードツールでは対応しきれない要件を実現できます。

まとめ

この記事では、LangChainの考え方と主な使い方を解説しました。

  • LangChainはLLMと各種ツールを部品として組み合わせ、LLMアプリをコードで効率よく構築するフレームワーク
  • プロンプト・LLM接続・記憶・ツール・文書検索など、共通の仕組みが部品として揃っている
  • RAGアプリとエージェントの構築で特に多く使われている
  • ノーコードで済むケースはDify、細かい制御や既存システム連携が必要な場合はLangChainを選ぶ

これらを理解することで、LLMアプリ開発のベンダーや開発チームが「どのツールをなぜ使っているか」を正しく把握できるようになります。ジョブらくのデータマネジメント支援では、こうしたAI活用の導入設計から開発支援まで対応しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次